ゲーミングPCを自作してみたいけれど、何を選べばいいか分からない…そんな初心者の方も多いのではないでしょうか。
Eスポーツの盛り上がりとともに、高性能なゲーミングPCへの関心が高まっています。
しかし、パーツ選びから組み立てまで、初めての方には難しく感じることも多いでしょう。
そこで今回は、コストパフォーマンスに優れた初心者向けのゲーミングPC構成を5つご紹介します。
予算別・用途別に最適な構成をピックアップしましたので、ぜひ参考にしてみてください。
ゲーミングPCを自作するメリット
ゲーミングPCといえば、完成品を購入するという選択肢もあります。
でも、自作には大きなメリットがあるんですよ。
まず第一に、コストパフォーマンスの高さが挙げられます。
同じ予算なら、BTO(Build To Order)や既製品より高性能な構成を実現できることが多いのです。
Ryzen 5 7600やGeForce RTX 4060のような人気パーツも、自分で選んで組み込めば市販モデルより安く済むことがあります。
また、自作することで将来のアップグレードも容易になります。
例えば、最初はGeForce RTX 3050(8GB)を搭載しておき、後から予算が増えたらGeForce RTX 4070 Ti SUPERにアップグレードするといった柔軟性があるのです。
何より、自分好みにカスタマイズできる楽しさがあります。
光るファンやユニークなケースなど、見た目のこだわりも反映できるのは自作ならではでしょう。
私自身も初めて自作したときは、完成したときの達成感に感動したものです!
ゲーミングPC自作の基本知識
パーツ選びの前に、基本的な知識を身につけておきましょう。
ゲーミングPCの心臓部とも言えるのがCPU(Central Processing Unit)です。
現在の主流はIntelの第14世代Core iシリーズとAMDのRyzen 7000シリーズです。
例えば、Intel Core i5-14600KFやAMD Ryzen 5 7600Xといったミドルレンジモデルが、コスパの良さで人気を集めています。
次に重要なのがGPU(Graphics Processing Unit)です。
ゲーム性能を左右する最重要パーツと言っても過言ではありません。
NVIDIAのGeForce RTXシリーズやAMDのRadeon RXシリーズが二大勢力となっています。
最新のRTX 4000シリーズは高性能ですが、予算を抑えるならRTX 3000シリーズも十分な性能を持っています。
メモリ(RAM)は現在16GBが標準となっています。
DDR5メモリが主流になりつつありますが、コスパ重視ならDDR4メモリでも十分です。
ストレージは高速なSSD(Solid State Drive)が必須となっています。
特にNVMe規格のM.2 SSDは、従来のSATA SSDの約6倍の速度で、ゲームのロード時間を大幅に短縮できるのです。
例えば、Western Digital WD_BLACK SN850X(1TB)なら、最大読み込み速度7,300MB/sという驚異的な性能を発揮します。
電源ユニットは80PLUS認証を取得したものを選びましょう。
Bronze、Gold、Platinumなど、効率の高いものほど長期的には電気代の節約になります。
これらの基本知識を頭に入れておくと、パーツ選びがぐっと楽になりますよ。
私も最初は戸惑いましたが、一度理解すれば意外と簡単です。
それでは、具体的なビルド例を見ていきましょう。
予算10万円以下!エントリーモデル
まずは、初めての方でも手が出しやすい10万円以下の構成からご紹介します。
この価格帯でも、しっかりとゲームを楽しめる性能を実現できるのです。
エントリーモデルのパーツ構成
- CPU:AMD Ryzen 5 5600(6コア12スレッド、3.5GHz~4.4GHz)
- GPU:NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER(6GB)
- マザーボード:ASRock B550M-HDV(microATX)
- メモリ:Crucial DDR4-3200 8GB×2(計16GB)
- ストレージ:Kingston NV2 M.2 NVMe SSD 500GB
- 電源:Corsair CV550(550W、80PLUS Bronze)
- ケース:Thermaltake Versa H18(microATX)
合計:約95,000円
このエントリーモデルは、人気の競技タイトルを中心に十分な性能を発揮します。
例えば『フォートナイト』や『Apex Legends』なら、フルHD解像度(1920×1080)で60fpsを余裕で超えるでしょう。
特筆すべきはRyzen 5 5600の高いコスパです。
6コア12スレッドというマルチタスク性能の高さながら、実売価格は15,000円程度と非常にリーズナブル。
GTX 1660 SUPERも、エントリークラスながら現行タイトルに十分対応できる性能を持っています。
実は、このクラスのGPUでも『Valorant』などのeスポーツタイトルなら144fps以上出せることも少なくないんですよ。
高リフレッシュレートモニターがあれば、その恩恵をしっかり受けられます。
メモリは16GBを確保し、ストレージはNVMe SSDで快適な読み書き速度を実現。
この構成のポイントは、将来のアップグレードパスを残していることです。
例えば、後からGPUだけをRTX 4060などに換装すれば、大幅な性能向上が見込めます。
予算を抑えつつも、将来性を考えた構成になっているのです。
私も最初はこのクラスから始めましたが、多くのゲームが快適に動いて驚いた記憶があります。
ミドルレンジ!予算15万円のバランスモデル
次に、15万円前後の予算で組めるバランスの取れた構成です。
多くのユーザーにとって、このクラスが最もコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
バランスモデルのパーツ構成
- CPU:Intel Core i5-13600KF(14コア20スレッド、3.5GHz~5.1GHz)
- GPU:NVIDIA GeForce RTX 4060(8GB)
- マザーボード:MSI PRO Z690-A(ATX)
- メモリ:G.Skill Ripjaws S5 DDR5-6000 16GB×2(計32GB)
- ストレージ:Samsung 990 PRO M.2 NVMe SSD 1TB
- 電源:Seasonic FOCUS GX-750(750W、80PLUS Gold)
- ケース:Fractal Design North(ATX)
合計:約149,000円
このバランスモデルの最大の特徴は、Intel Core i5-13600KFとGeForce RTX 4060の組み合わせです。
i5-13600KFは、14コア20スレッドという強力な処理能力を持ち、ゲームだけでなく動画編集などのクリエイティブ作業も快適にこなせます。
RTX 4060は、DLSS 3技術によるフレームレート向上やレイトレーシングに対応し、最新のAAA級ゲームタイトルも高画質設定で楽しめるのが魅力です。
例えば『サイバーパンク2077』をRTXモードでプレイしても、DLSS機能を使えば60fps以上の快適なフレームレートを維持できます。
メモリは余裕の32GBを搭載し、最新のDDR5規格を採用することで将来性も確保。
ストレージには、読み取り速度7,450MB/sを誇るSamsung 990 PROを採用し、大容量ゲームのロード時間を最小限に抑えます。
電源には80PLUS Gold認証の750Wユニットを選択し、将来のGPUアップグレードにも対応できる余裕を持たせています。
このクラスになると、WQHD解像度(2560×1440)でのゲームプレイも視野に入ってきます。
高画質設定でも100fps前後の動作が期待でき、没入感のあるゲーム体験が可能になるでしょう。
私が特に気に入っているのは、このモデルの拡張性です。
例えば、後からRTX 4070などの上位GPUに換装するだけで、4K解像度のゲーミングにも対応できる懐の深さを持っています。
「今はそこそこの予算だけど、将来は上位モデルに拡張したい」という方に、心からおすすめしたい構成です。
ハイエンド!予算20万円の本格ゲーミングモデル
さらに予算を増やして、本格的なゲーミング体験を求める方向けの20万円モデルです。
このクラスになると、最新タイトルを最高画質で楽しめる性能を手に入れることができます。
ハイエンドモデルのパーツ構成
- CPU:AMD Ryzen 7 7800X3D(8コア16スレッド、4.2GHz~5.0GHz)
- GPU:NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti SUPER(16GB)
- マザーボード:ASUS ROG STRIX X670E-F GAMING WIFI(ATX)
- メモリ:Corsair VENGEANCE RGB DDR5-6000 32GB(16GB×2)
- ストレージ:WD_BLACK SN850X NVMe SSD 2TB
- 電源:be quiet! Dark Power 12(1000W、80PLUS Titanium)
- 冷却:NZXT Kraken X63 RGB(280mm水冷)
- ケース:Lian Li O11 Dynamic EVO(ATX)
合計:約198,000円
このハイエンドモデルの中核となるのが、ゲーミング性能で圧倒的な評価を得ているRyzen 7 7800X3Dです。
AMD独自の3Dキャッシュ技術により、ゲーム特化型の処理性能を発揮します。
GPUには強力なRTX 4070 Ti SUPERを採用。
16GBの大容量VRAMと強力な演算能力により、4K解像度での高画質ゲーミングやレイトレーシングを活用したリアルな映像表現を実現します。
このGPUがあれば、『FINAL FANTASY XVI』や『Alan Wake 2』のような最新の重量級タイトルも、最高設定で60fps以上の快適なフレームレートを維持できるでしょう。
冷却には280mmサイズの水冷クーラーを採用し、高負荷時でも安定した動作温度を維持。
ケースには拡張性と冷却性能に優れたLian Li O11 Dynamic EVOを選択し、美しく高性能なビルドを実現します。
実は、このクラスになると単なるゲーミングだけでなく、動画編集やストリーミング配信など様々な用途にも対応できる万能性が魅力なんです。
例えば、OBS Studioを使ったゲーム配信も、エンコード処理をGPUに任せることで、ゲームプレイ中のフレームレート低下を最小限に抑えられます。
私がこのクラスの構成を組んだときは、その描画品質の美しさに感動したものです。
レイトレーシングによる光の表現や反射の美しさは、一度体験すると戻れなくなりますよ。
「本格的にゲームを楽しみたい」「将来的にクリエイティブ作業もしたい」という方には、この構成が理想的だと思います。
コスパ重視!AMD完全特化型モデル
AMD製品で統一することで、コストパフォーマンスを最大化した構成です。
AMDのCPUとGPUの組み合わせには、Smart Access Memoryという相乗効果もあり、効率的な性能を発揮します。
AMD特化型モデルのパーツ構成
- CPU:AMD Ryzen 7 7700X(8コア16スレッド、4.5GHz~5.4GHz)
- GPU:AMD Radeon RX 7800 XT(16GB)
- マザーボード:ASRock X670E Steel Legend(ATX)
- メモリ:Kingston FURY Beast RGB DDR5-6000 16GB×2(計32GB)
- ストレージ:Crucial P3 Plus M.2 NVMe SSD 2TB
- 電源:ENERMAX REVOLUTION D.F.(750W、80PLUS Gold)
- 冷却:Deepcool AK620(空冷)
- ケース:NZXT H5 Flow(ATX)
合計:約179,000円
AMD特化型モデルの最大の魅力は、CPUとGPUの組み合わせによるSmart Access Memory機能です。
これにより、従来は制限されていたCPUからGPUのVRAMへのアクセスが効率化され、ゲームによっては最大15%のパフォーマンス向上が見込めます。
Ryzen 7 7700Xは8コア16スレッドの高性能CPUでありながら、Intel競合製品と比べてやや安価に入手できるのが魅力です。
特に最大5.4GHzという高クロックは、高フレームレートを求めるFPSゲームとの相性が抜群です。
Radeon RX 7800 XTは、RTX 4070と同等以上の描画性能を持ちながら、価格はより手頃。
16GBの大容量VRAMを搭載しており、高解像度テクスチャを多用する最新ゲームでもメモリ不足に悩むことがありません。
『Assassin’s Creed Mirage』のような大規模オープンワールドゲームでも、WQHD解像度・最高設定で100fps以上の動作が期待できます。
冷却には、コストパフォーマンスに優れた大型空冷クーラーを採用。
水冷に比べて故障リスクが低く、メンテナンスの手間も少ないのが利点です。
この構成の最大の魅力は、価格対性能比の高さです。
同じ予算でIntel+NVIDIAの組み合わせよりも高い性能を実現できることが多いんですよ。
私自身、AMD構成は安定性の面で不安を感じていましたが、最近のドライバー改善によって非常に安定した動作を実現しています。
「より安く、より高性能に」という方針で選ぶなら、このAMD特化型が最もコスパが高いと言えるでしょう。
ストリーマー向け!配信特化型モデル
最後に、ゲームプレイと同時に配信も行いたいストリーマー向けの特化型モデルです。
高いCPU性能と動画エンコード性能が求められる配信に最適化した構成となっています。
配信特化型モデルのパーツ構成
- CPU:Intel Core i9-14900K(24コア32スレッド、3.2GHz~6.0GHz)
- GPU:NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER(12GB)
- マザーボード:MSI MPG Z790 CARBON WIFI(ATX)
- メモリ:Corsair DOMINATOR PLATINUM RGB DDR5-7200 32GB(16GB×2)
- ストレージ1:Samsung 990 PRO M.2 NVMe SSD 1TB(OS用)
- ストレージ2:Western Digital WD_BLACK SN850X M.2 NVMe SSD 2TB(ゲーム用)
- ストレージ3:Seagate BarraCuda 4TB(録画データ用)
- 電源:Corsair HX1000(1000W、80PLUS Platinum)
- 冷却:CORSAIR iCUE H150i ELITE CAPELLIX(360mm水冷)
- ケース:Corsair 7000D AIRFLOW(フルタワー)
- キャプチャーカード:Elgato HD60 X(外部機器からの配信用)
合計:約245,000円
配信特化型モデルの心臓部は、24コア32スレッドの圧倒的な処理能力を持つIntel Core i9-14900Kです。
このCPUがあれば、ゲームプレイと配信エンコードを同時に行っても余裕の処理能力を発揮します。
GPUにはNVIDIA独自のNVENCエンコーダーを搭載したRTX 4070 SUPERを採用。
このハードウェアエンコーダーにより、CPU負荷を最小限に抑えながら高品質な配信が可能になります。
ストレージは用途別に3種類用意しました。
OS用の高速SSD、ゲームインストール用の大容量SSD、そして配信の録画データ保存用のHDDという構成です。
冷却には360mmサイズの大型水冷クーラーを採用し、高負荷時でも安定した動作温度を維持。
ケースには拡張性と冷却性能に優れたフルタワーケースを選択し、長時間の配信でも安定した環境を実現します。
この構成の最大の特徴は、複数の作業を同時に行える処理能力の高さです。
例えば、『Cyberpunk 2077』をRTX設定でプレイしながら、1080p・60fpsの高品質配信を行っても、ゲームのフレームレートがほとんど低下しないほどの余裕があります。
PlayStation 5などの外部機器からの配信も想定し、Elgato HD60 Xも搭載しています。
私が配信者の友人に似たような構成を勧めたところ、「配信中の処理落ちが激減した」と大変喜んでいました。
「ゲームを楽しみながら視聴者と交流したい」という方には、この配信特化型構成がぴったりだと思います。
あなたに最適なゲーミングPC構成
ここまで5つのゲーミングPC構成を紹介してきましたが、いかがでしたか?
自分に合った構成はイメージできたでしょうか。
最後に、選び方のポイントをまとめておきます。
予算10万円以下のエントリーモデルは、初めてゲーミングPCを組む方や、eスポーツタイトルを中心に楽しみたい方におすすめです。
Ryzen 5 5600とGTX 1660 SUPERの組み合わせで、多くの人気タイトルをフルHD解像度で快適にプレイできます。
予算15万円前後のバランスモデルは、最もコストパフォーマンスに優れた選択と言えるでしょう。
Core i5-13600KFとRTX 4060の組み合わせで、最新タイトルも高画質設定で楽しめます。
予算20万円のハイエンドモデルは、4K解像度やレイトレーシングなど、最新技術の恩恵を最大限に受けたい方におすすめです。
Ryzen 7 7800X3DとRTX 4070 Ti SUPERの組み合わせで、圧倒的なゲーム体験が可能になります。
AMD特化型モデルは、コストパフォーマンスを重視する方に最適です。
Ryzen 7 7700XとRadeon RX 7800 XTのコンビネーションで、Smart Access Memory機能による相乗効果も期待できます。
配信特化型モデルは、ゲームプレイと同時に高品質な配信を行いたいストリーマーの方におすすめ。
Core i9-14900KとRTX 4070 SUPERの組み合わせで、マルチタスクをストレスなくこなせます。
自作PCの世界は奥が深く、パーツの組み合わせは無限にあります。
ですが、初心者の方は今回紹介した定番構成から始めれば間違いありません。
自分の予算と用途に合わせて選び、ゲーム体験を最大限に高めてください。
私も最初は不安でしたが、組み立てて電源を入れた瞬間の喜びは何物にも代えがたいものでした。
皆さんも、ぜひ自作PCの楽しさを体験してみてくださいね!